News 2026.10.19
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書籍『危ない! 共同出版』(尾崎浩一)

書籍『危ない! 共同出版』(尾崎浩一)

【本にするだけじゃダメですか?】

当館は私設図書館だが一応、出版部というのがあって(と言っても主に私一人が担うのだが)、これまでに書籍3冊と雑誌1冊を出版している。それらは、私やスタッフ、またはユーザーの作ったコンテンツ(文章や図画)を編集し本の形にしたものである。

とはいえ、あくまでも当館でのみの販売だから、広く書店やネット等で販売する、いわゆる商業出版ではない。自分のコンテンツを自分で編集し、装丁やブックデザインも自分で行い、自分の費用で一定部数の印刷製本を外注し、出来上がった本を自分(のところ)で売っているのだから、自主製作本の自費出版と言うべきかもしれない。

商業出版と自費出版の違いは、一つは費用を著者側か出版社側かのどちらが持つか、もう一つは広く書店やネット等で販売するか否かである。

では、本書のタイトルにもある「共同出版」とは何か。本書によれば、まず費用は著者と出版社が折半するのだと言う。次に販売は、全国の書店で行われるように出版社が責任を持って営業するのだそうだ。この条件はコンテンツを提供する著者としては魅力的に思える。

しかし実態としては、かかる経費の総額や内訳、それらの根拠などを示さないことから、費用のほとんどは著者側が負担しているのではないか。

また、販売も全国書店で行われているかなど著者側が確かめようもないのを良いことに、多くの場合書店に新刊書案内をFAXで流すのみのようだ。

つまり、出版社側は最初から本を販売することで利益を得ようと思っていないのである。出版社の利益は著者が差し出す出版費用のみだ。だから、なるべく出版コストを抑えるために、編集や校正・校閲、装丁等にもおカネを掛けない。結果、質の悪い本が出来上がるから、余計に書店は店頭に並べない。

もっとも、最近は「共同出版」とは呼ばずに、堂々と「自費出版」(費用は全部著者持ち)としたうえで、全国の書店で置かれることをアピールして多額の費用を請求する出版社も多いようである。

したがって、自分のコンテンツを本にしたいと考えている人には是非注意して欲しいと思うのだが、同時にこうも言いたい。

プロの作家の本でさえも売れない時代である。どこの誰かも知らないオッサンやオバハンの書いた本なんて売れるわけがないではないか。そうした売れる見込みのない本に限られたスペースを書店が割くわけがないでしょ!

もしも貴方の自費出版本が書店に置かれていたとしたら、そのスペースも費用として負担したということに他ならない。書店に置かれたというその満足のために数百万の費用を貴方は出しますか? 本にするだけの自主製作本なら数十万円でできますけど……。

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