News 2024.04.15
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書籍「データの見えざる手 ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則」(矢野和 著)

書籍「データの見えざる手 ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則」(矢野和 著)

【ビッグデータの中で個別性は無視されると言われてもねえ】

人間の行動は個々の意思とは無関係に原子のエネルギー分布と同じ数式に従う──。もしこれが本当ならば(もちろん本当でしょうけど)、凄いことです。我々は自分の意志で自らの行動を取捨選択しているつもりでも、実はあらかじめ決められたパターンに則ることになります。であれば、著者の言うように、そのデータを活用することによって様々な社会課題の解決にもつながるでしょう。

しかし、どうしたことでしょう。この本が出版された2014年から既に10年近く経つのに、あまりそうした話題は聞きません。普及しない原因は色々あるでしょうが、一番の理由はそのデータを得るために多くの人にウエアラブルセンサなるものを四六時中、身に着けてもらう必要があるからでしょう。そこまでして、データを提供してくれる人が少ないからに違いありません。

なぜって、いくらビッグデータの中では個別性は無視されると説明されても、どこか四六時中自分の行動を監視されているようで気持ち悪いですものね。それに、社会課題の解決という美名の下で、悪用される可能性も気になります。

もっとも、ウエアラブルセンサの一部の機能は既にスマホに組み込まれ、我々は知らないうちに多くのデータの提供をしているのでしょうね。

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