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映画「ミッドナイト・イン・パリ 」(監督 ウディ・アレン)

映画「ミッドナイト・イン・パリ 」(監督 ウディ・アレン)

【昔は良かったは現実逃避】

ウディ・アレンは恐らく偏屈で、人間ぎらいなのでしょう。この映画も、彼らしい風刺の効いた映画です。

人は誰でも「昔は良かった」と思うことがあります。
昔は──、
「身の回りに手付かずの自然が残っていた」
「時間がゆったりと流れていた」
「人付き合いに人情があった」
とか言ってね。
しかしこの映画のように、何かの拍子に(タイムスリップでもして)その時代に戻ったところで、そこの人々も「昔に戻りたい」と思っているに違いないのです。要するに、懐古趣味の多くは現実逃避にほかなりません。
まさに劇中のひとりがそう指摘したわけですが、そんなことは「昔は良かった」と思う誰しもが分かっています。

それでも、こんな自分も理解して欲しい──そんなアレンの切実な気持ちが伝わってくるようです。

分かるよ、アレン。私も偏屈で人間嫌いだから。

画像引用元 シネフィル倶楽部

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