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映画「パピヨン」(主演 スティーヴ・マックィーン)

映画

【彼の不屈の精神にあてられた夏の日】

その日、高校生だった私は重い足取りで連尺の交差点から高町にある自宅に向かう坂を上っていました。この映画を観た帰り道、夏の日差しがいつにもまして暑かったことを憶えています。しかし、私の足取りを重くしていたのは、夏の暑さではありませんでした。

私はこの映画に打ちのめされていたのです。これでもか、これでもかとばかりに主人公のパピヨンの身に降りかかる災厄。それを都度、パピヨンは跳ね除けるのですが、あと一歩のところで元の木阿弥に戻されてしまう。

それでも最後はハッピーエンドなのだから、そんなに帰りの足取りを重くする必要はなかったはずだと思うのですが、あの日の私は

「人生って、こんなに辛いことばかりなんだ……」

と悲観的に思えてならなかったのです。かえってパピヨンの逆境にめげない不屈の精神にあてられたかのようでした。

それは恐らく、その年の春に私が高校受験に失敗するという、人生で初めての挫折を味わった時期と重なっていたからだと思います。今となっては遠い夏の日のことです。

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