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小説「高い窓」(レイモンド チャンドラー 村上春樹 訳)

【マーロウはいつものように一人でケリをつけた】

クリスマス・イヴに孤高の男フィリップ・マーロウを読む。なんて贅沢で出来過ぎた夜なのだろう。

本作は一部に、プロットの細部が矛盾するとか、謎解きの展開がご都合主義的だとかの指摘があるようだ。だが、そんなことはチャンドラー小説のお約束事のようなもので、どうでも良い。

大事なことは、マーロウはいつものように限りなく一人で戦い、一人でケリをつけた、ということなのだ。素晴らしいじゃないか。男の中の男である。やはり男はなんでも一人で成し遂げなければいけない。

だが、その点なら今夜の私だって負けていない。なんたって、こちとら所謂「クリぼっち」には年季が入っているのだ。ただ彼のようにタフではないし(というか何でも直ぐに諦めちゃうし)、優しくもないだけだ(というか他人にはむしろ厳しい)。おまけに、六〇過ぎても何一つ成し遂げちゃいない。してみると、その結果が今夜の私ということか。オーケー、それも良いだろう。

さて、外は一段と冷えてきたようである。もう一杯だけ飲んで、寝るとするか。

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