映画「ザ・レッスン 女教師の返済」(監督 クリスティナ・グロゼヴァ、ペタル・ヴァルチャノフ)
2021
11
2
映画「ザ・レッスン 女教師の返済」(監督 クリスティナ・グロゼヴァ、ペタル・ヴァルチャノフ)
【必ず見つかり、罰を受ける】
邦題がAVのようで、ちょっとエッチっぽいですが、よく出来た映画です。生徒の教室内での盗みに端を発して、駄目な旦那や副業の会社経営者に翻弄されたあげく、最後に盗みを咎めた女性教師に報いが行くというストーリー。
生徒の盗みと彼女の私生活は、まるで接点がないかのごとく物語は進んでいきます。だがしかし、最後にしっかりと交わる一種のパラレルワールドです。
この後、彼女は生徒の前で逮捕されるのでしょう。「必ず見つかり、罰を受ける」と彼女が言った通りになるのだと容易に予想がつきます。なんとせつないことでしょうか。
そして、この映画のポイントは父親との確執。それが物語に深みを与えています。観ている者は当然、最後は父親に泣きつくのだろうと予想します。しかしそれが出来ません。近親憎悪とはそういうものだから。非常によく出来ています。