書籍「知的機動力の本質 – アメリカ海兵隊の組織論的研究」(野中 郁次郎 著)
2021
6
21
書籍「知的機動力の本質 – アメリカ海兵隊の組織論的研究」(野中 郁次郎 著)
米海兵隊は陸海空の各軍から独立した組織でありながら、陸海空の機能を備えて紛争地で橋頭堡を築く先遣隊だといいます。まさにそれは私が前職で掲げた組織の理念と一致します。私の組織も社内の異分野の精鋭(だったはず…)を結集した先遣隊で、プロジェクトの川上で他社に先駆けて自社の橋頭堡を築くのが使命でした(少なくとも社長が代わるまでは)。
よって、これを読んだ当時は「戦争」を「業務」に、「敵」を「競合他社」あるいは「交渉/協議先」、時として「顧客」と読みかえて読み進めたのでした。
異分野の結集というとコラボレーション(協働)という言葉が良く使われますが、コラボはそれぞれの専門領域を連携して行うに過ぎません。多少効率が良くなるかもしれませんが、新たなものは生まれない。異分野は融合してこそ相互に補完されて、これまでにないものが創造されます。コラボは足し算、融合は掛け算と言われる所以です。
私の組織はそれを実践し、着実に結果も出していたのですが、社長が交代して私の組織は解体されてしまったのでした。トホホ……。