News 2024.09.20
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映画「DOGMAN ドッグマン」(監督 リュック・ベッソン)

映画「DOGMAN ドッグマン」(監督 リュック・ベッソン)

【主人公が幸薄い女子じゃなくたって】

物語は、父親のDVが日常化する少年時代に母親に去られ、犬小屋に入れられて生活した経験を持つ男が、多くの犬とともに街の悪党と戦うというものだ。

久しぶりのリュック・ベッソンの監督作品で、とても面白かった。まだまだ俺は錆びついちゃいないぞ、と言っているかのようだ。

だが、これがいつもの彼の作品のように不遇の女子を主人公にしていたら、もっと好かったのにと思うのは私だけだろうか。多分あえてだと思うが、そうしなかったのは彼なりの理由があったように思う。

と言うのは、彼の代表作「レオン」が、最近になって一部から「ローティーンを性の対象にした不健全な作品」と批判されている──、そのことと関係しているのではないかと思えるのだ。

私などはあれが「性の対象」に見えるのなら、それこそが問題──その人の下衆な心の表出──だと思うのだが、同作でそのローティーン役を演じて一躍脚光を浴びたナタリー・ポートマンですら、それに同調するかのような発言をしているのは残念なことだ。

たしかに今の世の中、仮に擁護などしようものならもちろん、同調しないだけで彼女もつるし上げを食うから、そうせざるを得なかったのかもしれないが、しかし「控えめに言っても不快な描写がある」などと発言するのには違和感を禁じえない。

そうした批判への答えを監督リュック・ベッソンは本作で示したように思える。いつものように主人公を幸薄い女子とせずに男、しかもあえて「女装した男」をそこに持ってきたことに、彼なりの意図というか、意地を感じる。

本作の冒頭で流れる字幕、

「不幸な者のいるところあまねく──、神は……」

が示唆的である。男だろうが女だろうが、たとえそれが子供であろうが無かろうが、関係ないと言いたいのだ、きっと

画像引用元 映画「DOGMANドッグマン」オフィシャルサイト

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