漫画『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(水谷さるころ)
【ストレスの原因】
この漫画の主人公‘さるころ’の夫を見ていて、これって、まんま昔の俺かもしれない……、と思った。
夫‘ノダD’は突然キレる。さるころと街を歩いていても
「これ、どっか目的あって歩いてんの? どこに向かって歩いてんだよ⁈」とキレ出す。
認めたくないが、若い頃の私もそういうところがあった…ように思う(てか、これとまったく同じことを言った記憶もある)。私とて当時からそれなりの社会性はあったから、誰にでもキレたわけではない。同性には滅多にキレない(この漫画にもあるように男同士の場合は殴り合いになりかねない)。女のコにももちろん、ふつうはキレない。キレることがあったのは親密になった女性…いや、ほとんど妻にだけキレた。
結婚して最初の半年から一年くらいは生活のあらゆる場面で主導権争いをして、ぶつかった。自分の身に着いたやり方を相手に押し付けようとしたのだった。この漫画の夫婦もそのようだから、おそらく何処の夫婦も多かれ少なかれ同じだと思う。まさに結婚は文化・文明の衝突である。
しかし、愛し合って一緒になったのに、そうした闘いが不毛であることに徐々に気付く。ウチの場合は、年上だった妻が譲歩することが多かったかもしれない。そして、それが次第に当たり前になった。
だから、自分の思うようにならないと、このノダDのようにキレたのだと思う。年端の行かない子供のふるまいとほとんど同じである。要するに甘えていたのだ。
最近よく思うのは、そうした私の態度が確実に妻のストレスになっていたに違いないということだ。そのことが、ストレスが原因だとされる妻の死病につながったのではないか──。今更そんなことを思ったところでどうしようもないのだが、ついそう考えてしまう。
「自責思考」というのだそうだ。だが、そう考え出したのはここ何年かのことなのだ。ずっと、そんなことを思いつきもしなかったのに……。それは人生の終盤に入って自分が生きてきた証として、良きに付け悪しきに付け誰かに影響を与えたと思いたいだけなのかもしれない。
さてノダDは、さるころからキレるのをやめなければ別れると言われて奮闘努力の末、悪癖を治すことができたようである。

