News 2025.10.31
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書籍『girls ZINE 女の子のためのジン案内』(編集 志賀隆生 他)

書籍『girls ZINE 女の子のためのジン案内』(編集 志賀隆生 他)

【次はZINE!】

先頃、開館5周年記念として作ったオリジナル本『じゃじゃの私設図書館オススメBOOKS&MOVIES2』の出版・刊行に無事漕ぎつけました。当館の本づくりは今回で3作目となるので多少は慣れたものの、これまでと同様に結構大変ではあったのです。やっている間は全エネルギーをそれに傾けたという印象です。

じゃあ、何でそんな大変なことをする気になるのかと言えば、同時にとても楽しくもあるからです。

そうなんです。本づくりは楽しい──。コンテンツを集め編集し、それに合った装丁やブックデザインを考える。その一つひとつが実に楽しい。校正作業は面倒ですが、新しい発見や気付きもあって、これも考えようによっては楽しいんです。そして入稿し、印刷・製本された形になるのを待つ間のワクワクドキドキが──この歳になっても、そんな気持ちになれることが──堪らないのです。

とはいえ、大変であることには変わりはありません。したがって、そうしょっちゅう(例えば毎年のようには)できません。そこで、本づくりに代わる何か、楽しさを味わいながらも、もう少し気軽に定期的にできるものはないかと目を付けたのが、本書で取り上げているZINEです。

ZINEとは、「FANZINE(ファンジン)──すなわちファンのためのマガジン──の略語」と本書にあります。その定義は様々あるようですが(作った本人がZINEと言えば、それはZINEだという人も居たりしますが)、一言で言えば手作り雑誌、あるいは手作り小冊子と言えるでしょう。リトルプレスという呼び方もあります。

たしかに雑誌・小冊子ならページ数が少ないので、書籍に比べれば気楽に作れるような気がします。しかし、そこで一番大事になるのは、やはり雑誌コンセプトでしょう。なにをするにしても、初めにコンセプトありき。これを決めなければ話になりません。

要は、何の雑誌を作るかです。それが定まれば、あとはそれに応じたコンテンツを集めれば良いのです。方向性が定まります。

今考えているのは、今回の書籍を作った際に当館のご利用者から書評・映像評を募集したところ多数の応募があり、しかもそれぞれの作品がとても面白かったので、ああいうご利用者の創作物を紹介するような雑誌を作れないかと思っています。

もちろん私自身のZINEを作る喜びもありますが、それ以上にご利用者にリアルな形で表現の場をセッティングできることに意義を感じています。すなわち、コンテンツを提供してくれる人には「自分の創作が届く喜び」を、ZINEの読み手には「同じ図書館を利用する人の創作に出会う楽しみ」を、そして当館は「本が紡ぎ、人が織りなす」という理念を体現できるという意義です。

そのコンセプトをキャッチコピー風に言えば、「ユーザー・クリエイション・フォーラム」となるでしょうか。本書を参考にしながら、そんなことをつらつら考えています。近いうちにどんなZINEを作るのか、またそれを実現する企画をお示しできると思っています。

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