映画「THE GUILTY/ギルティ」(監督 グスタフ・モーラー)
【壁に耳あり、障子にメアリー】
思い込みからくる勘違いって結構ありますよね。たとえば、お笑いコンビのサンドイッチマンのネタに、「壁に耳あり障子に目あり」という諺を「……障子にメアリー」という外国人の話だと勘違いしていたというくだりがありますが、あながち本当にそう思っている人がいないとは限りません(……いないか、いないな)。
また、以前ネット上で見かけたのは、昔のスポ根アニメ「巨人の星」の主題歌に関する勘違い。あの歌い出しは
〽思い込んだら試練の道をォ~
でしたが、あれを「重いコンダーラー……」だとばかり思っていたというのです。なぜなら、バックに流れていた映像に主人公・星飛雄馬が重そうな器具を必死に引いている姿があったからだと。当時はコンクリートローラーという器具名があやふやで、コンダ―ラーだと思ったのだとか。コンクリートローラー=コンダ―ラー……さもありなん。
実は私もつい最近まで、童謡「アルプス一万尺」にある
〽アルプス一万尺/小鑓の上で
を「アルプス一万尺/子ヤギの上で……」だと思い込んでいました。その後に続く歌詞が「アルペン踊りを、さあ踊りましょ」なので、動物虐待のような歌になってしまうのですが、アルプスと言えば「アルプスの少女ハイジ」。ハイジと言えば子ヤギのユキちゃん、ということでアルプスだったら子ヤギだろうと早合点していたわけです。そもそも小鑓ってなんだよ、って思いません?
さて、すっかり前振りが長くなってしまいましたが映画の方は、最初何か不祥事によって閑職に追いやられている敏腕刑事が、ここで厄介な誘拐事件を見事解決して晴れて復職する、というストーリーを想像させます。
しかしどうやらこの人、性格に難ありのようで、優しい心も持ち合わせているけれど、思い込みによる勘違いも激しいために事件を混乱させます。
そして最後に彼の物語を重ね合わせる――。ワンシチュエーションながら、よくできた脚本です。
画像引用元 happinet-phantom.com