映画「雪の轍」

中高年の独身男性が望む結婚相手は年齢の若い女性になりがちだそうですが、身の程知らずというものです。まあ、百歩譲ってそれが成就したとしても、あまりに歳の離れた夫婦は必然的にこうなります。価値観が違うのです。若い妻の価値観が純粋で無垢なのに対し、年長の夫のそれは老練で狡猾です。

男から見れば、彼女の考えはどうしても稚拙に映ります。そのため、会話は教育的かつ高圧的になりがちです。彼女からすれば、男の言い草はいつだって「勝手で、恨みがましく、皮肉屋」にしか聞こえません。

さて、新しく生まれ変わったという夫アイドゥンだが、妻ニハルとこの後上手くやれるでしょうか。ニハルだって今回、慈悲深いだけでは世の中生きていけないと学んだはずです。

中高年の独身男性の一人としては、願わくばアイドゥンを見捨てないでほしいのですが、……無理でしょうね。