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映画「美しい絵の崩壊」(主演 ナオミ・ワッツ ロビン・ライト)

映画「美しい絵の崩壊」(主演 ナオミ・ワッツ ロビン・ライト)

【女性だって若い方が好いよねv】

本格的な老化を前にして、最後にもう一花咲かせたい、それも若くて美しいお相手と……♡。そう思うのは、どうやら男だけではないようだ。もちろん、彼女たちがそんな安直な思いだけで、ああなったわけではないだろうが、それも大きかったに違いない。そりゃあ、女だって若い方が好いに決まっているのだ。なんたって、肌の張りが違う。身体のしなやかさが違う。一緒にいればそれだけで、自分も若返ったような気分になれる。

だがしかし、その望みが適うことなどまずない。たとえ万が一、適ったとしてもほんの一時であって、この映画のように何年も続くことはない。普通は若い方に歳相応の相手が見つかれば、その瞬間に終わる関係だ。

だからこそ、中高年はいつも相手の若さに嫉妬し、自らの老いを憎み、上手くいっている間でさえもひたすらその瞬間が来るのを恐れ続ける。

その意味ではありがちな話ではあるが、本作は親友同士の彼女ら二人の相手が互いの息子だというところに妙がある。初老を前にした女と若い男の恋愛感情だけでなく、親同士の女の友情、息子同士の男の友情、それらがたすき掛けで交じり合う。その混沌さが秀逸だ。それだけに、息子たちに歳相応の相手が現れた後も関係を続けたとするラスト30分は非現実的で、蛇足に思えた。

とはいえ、こうした世界を男ではなく女性で描いたところに意味がある。これが、中高年の男の親友同士が互いの娘と……なんて話だったら、崩壊する前に絵として成立しない。

画像引用元 映画男のただ文句が言いたくて

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