映画「少年と自転車」
2020
10
20
映画「少年と自転車」
この少年は更生したのだと思います。そうさせたのは、里親サマンサの無償の愛です。サマンサは恋人と別れてまで自分を選んでくれたのです。その思いに応えなくてはなりません。
子どもの頃、親に叱られプチ家出をしたことがあります。そのとき深まりゆく夜の闇の中で感じた、ひとりで生きて行くことへの不安──。この映画を観ていて思い出しました。
ましてやこの少年は、実の親に捨てられたのです。そうした不安ややり場のない怒りに心が荒むのも無理はありません。でも、サマンサのような自分を愛してくれる確かな存在があれば、その不安に苛まれることはないでしょう。