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映画「図鑑に載ってない虫」(監督 三木聡)

映画「図鑑に載ってない虫」(監督 三木聡)

【生きていることと死んでいることは同じ】

TVドラマ「時効警察」の三木聡監督の比較的初期の作品である。通称「ズカチュー」。例によって例の如く毒にも薬にもならない、チョーくだらないことのオンパレード。同監督作品が好きな私も些か引いてしまった。

しかし観終わって暫く経つと、これはなかなか意味深長な映画であることに気付く。ある意味哲学的ですらあると。

伊勢谷友介(この頃はまともだった?)が演じる主人公は「死にモドキ」という図鑑に載ってない虫のエキスを飲んで臨死体験をする。そして、「生きていることと死んでいることは、さして変わらない」のだと知る。

なぁるほど~、深いな。もしそれが本当だとしたら、この私は今生きているのだろうか、死んでいるのだろうか──。むろん、今の私は以前生きていた頃の記憶はない。死んだという記憶もない。だとしたら、これは無限ループというやつではないか。お釈迦様は生きることの本質は「苦」であると言ったそうだが、それを果てることなく繰り返すことになるのだろうか。

だとしても、否だからこそ、このしょうもない人生のほとんどのことは大したことではないと笑い飛ばそうではないか! たとえ、それが苦ばかりであったとしても。

画像引用元 映画チラシサイト

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