映画「ギフテッド/gifted」(主演 クリス・エヴァンス マッケンナ・グレイス)
【才能を伸ばすのは大事、でもフツーはもっと大事】
中盤、夕陽をバックに主人公メアリーが叔父で育ての親のフランクにじゃれつくシーンを観て、やっぱ女の子は可愛いなあ──とつくづく思いました。が、そう思えるのはこの子の歳くらいまでです。自分の娘を思い出すにつけ、あと2〜3年もすると生意気で手に負えなくなるのです。悲しいことに。
それはさておき、この映画は単にメアリー役を演じたマッケンナ嬢が可愛い(前歯がない!)だけでなく、内容もとても好かったと思います。天賦の才を受けたメアリーをめぐって、その才能を伸ばしたい大人とフツーに育てたい大人が争いますが、天才である前に7歳児の彼女は都度傷つきます。
ちょうど私の娘がメアリーと同じ歳に妻を亡くした身としてはフランクに感情移入をせずにはいられません。あの時も、一人で育てるのは無理だろうと周りは色々言ったけれど、私自身は自分ひとりで育てることに何の疑問も持ちませんでした。もちろん、うちの子供たちは天才ではなかったので、フツーに育てるのは当たり前のことですがね。
そんなこともあって、他人の出産に立ち会わせて自分の出生も祝福されたものだとメアリーに自信を持たせたシーンや、大人の事情でやむを得ず里親に彼女を預けるシーンなど、途中何度も泣いてしまいました。そして、極めつけは何と言ってもフランクが彼女を取り戻すシーン! もう号泣です。
まあ、10億人に1人と言われたら、フツーに育てることなどせずに、全てを犠牲にしてでもその才能を伸ばすことに傾注してしまうのでしょうね。しかし、その子の気持ちを考えているのか、あるいは本当にその子の将来を考えているのか──多くの場合、自分の虚栄心を満たしたいだけのような気がします。
最後はイイ感じの折衷案が見つかったようでメデタシ、メデタシ。でもさあ、女の子はあと2〜3年もすると……って、もうええわ。
画像引用元 ひま種雑記