News 2024.11.15
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映画「みんなのいえ」(監督・脚本 三谷幸喜)

映画「みんなのいえ」(監督・脚本 三谷幸喜)

【建物に込めるみんなの思い】

これを観たのは、この私設図書館兼自宅をちょうど建築中の頃だったので、いろいろ考えさせられました。劇中の彼らと違って、施主側の意見は統一しやすい。なんせ、こちとら独り身だから。子供は二人いますが、すでに独立していて彼らとは一緒に住みません。

したがって、基本的にはすべて自分の思い通りに建てられる状況でした。何と楽しいことでしょうか。昔から多数決や足して2で割るような決め方が大嫌いなのです。

私は建築設計事務所に40年近くいましたが都市計画が専門だったので、建築設計に関しては門前の小僧程度の知識しかありません。そこで、社内でも優秀な建築士でかつ、私と気心の合う2名を選りすぐり、設計してもらいました。施工は彼らが「センスが好いし、仕事が丁寧」だと選んだ浜松の工務店ジェネビルにお願いしました。

いくら自分の思い通りにとは言っても、そうした設計者や工務店など専門家の意見はもちろん聞きました。時に彼らとの間で意思の疎通が悪いと互いに不信感も生まれ、ちょっとしたマイホームブルーにもなりました。しかし、劇中もあったように彼らもまた、良いものを造りたい、良い家にしたい、という思いは同じだったのです。

今思えば、そうした意見の対立や衝突はマストだったのだと思います。実際に住んでみて、彼らの意見を受け入れて――あの時は妥協したかのように思ったけれど――良かったと思うことがたくさんあります。結果として、とても満足しています。

画像引用元 TELASA

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