映画「ちいさな哲学者たち」（監督 ジャン＝ピエール・ポッツィ　ピエール・バルジエ）

【真理を突く子供達】

フランスの公立幼稚園で行なわれた哲学プログラムを撮ったドキュメンタリー。ただでさえ落ち着きのない４〜５歳児を相手に、米ハーバード大のサンデル教授よろしく白熱教室をやろうというのだから大変です。当然、子供たちの話はテーマから外れてあちらこちらに飛ぶし、隣の子にちょっかい出したりして集中も続きません。

そうした様子も逐一観せられて、こちらの集中も切れ気味になりますが、次第に子供達は「考え、言葉にすること」を学ぶようになります。「愛とは何か」、「自由とは何か」、「恋と友情の違いは」、「死とは」などなど。

そして、ときに子供は真理を突きます。

「恋人が恋人で居られるのは、『ごめんね』を言える間だ」

４歳の子供が、ポロっとこんなことを口にします。ウケ狙いでもなんでもなく、その小さな頭で一所懸命考えて──。その瞬間、僅かながらも鳥肌が立ちました。

最後に、子供達が「考える楽しさを知った。小学校に行ったら哲学が出来なくなるから嫌だ」と言ったのはちょっと出来すぎですがね。

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