ドラマ「ケイゾク」(主演 中谷美紀 渡部篤郎)
2022
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ドラマ「ケイゾク」(主演 中谷美紀 渡部篤郎)
【柴田刑事役の中谷美紀が好い!】
本作については、これまで何度も他の紹介の中で触れてきた。それらで書いたように、1999年という前世紀末の作品ながら、斬新なカメラワークがとにかく印象的で後年まで記憶に残ったものだ。既往のテレビドラマの常識を打ち破った不連続に揺れ動く映像は、今でこそ珍しくないが当時はテレビドラマのみならず、映画界まで視野を広げても見当たらなかったように思う。ただ、カメラワークがあまりに印象的すぎて、どんな話だったかは全く覚えていない。そこで今回、ネット配信されているのを見つけたので観直してみた。
あらためて観てみると、流石に当時の衝撃はないな、と初めの数話では思った。前世紀の刑事ドラマの域は出てないように思えたのだ。しかし回を重ねるごとに、例のカメラワークが際立ち始め、巧妙なSE(効果音)とあいまって、今でも十分鑑賞に堪えうる――いや、正直に言おう。そうしたテクニカルな面もさることながら、単純に話として面白かったのである。
未解決の継続捜査案件を東大卒の新米刑事・柴田純が論理的に次々と解決していくわけだが、その中にちょいちょいと不可思議現象を入れるなどして、演出者の一人である堤幸彦の後のドラマ「TRICK」や「SPEC」に繋がる萌芽がほの見える。くわえて、柴田刑事役の中谷美紀が実に好い。続編とされる「SPEC」の戸田恵梨香より断然好い! と思うのは、もちろん個人的な女性の好みの問題である。
画像引用元 TBSチャンネル