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テレビドラマ『SEAL Team/シール・チーム』(主演 デヴィッド・ボレアナズ)

テレビドラマ『SEAL Team/シール・チーム』(主演 デヴィッド・ボレアナズ)

【カラスは白い!】

私が大学体育会に属していた頃は、未だ上下関係の厳しさが残っていて、「OBは神様、四年生は天皇、三年生平民、二年は奴隷、一年生はゴミ」などと言われたものである。そうした中ではもちろん先輩に絶対服従で、「先輩が『カラスは白い』と言ったら白なのだ」と教えられた。

社会人となってからの私だったら到底考えられないが、当時はそれをあまり理不尽だと思ったことはなかった。自由を謳歌する周りの軟弱な学生と違って「俺たちは硬派だ!」と気取っていた──そのことの代償として受け入れていたのだと思う。

前述の「カラスは白い」に代表される先輩への絶対服従はおそらく軍隊のそれを踏襲していたのだろうが、本作を観ていてもともとの意味あいは多少ニュアンスが違うのではないかと思った。

彼らアメリカ海軍特殊部隊の精鋭シール・チームは、テロ対策のために世界各地に赴き、困難な任務を命がけで遂行する。その内の一つ、ブラボー・チームのリーダーであるジェイソン・ヘイズが本作の主人公である。

精悍な顔つきに表れた意志の強さ屈強な体に裏打ちされた確かな戦闘能力で、現場での難しい判断を的確に行い、確実に遂行する。これぞリーダー中のリーダーで、チームの皆が信頼を寄せる。

だが、そんな彼も一人の人間として、家族のことなど様々な悩みを抱えている。ときにそれが彼の判断力を鈍らせる。いや、彼自身の判断力は少しも鈍ってなどいないが、鈍っているのでは?とチーム員が疑うこともある。

しかしそんなときこそ、ジェイソンが「カラスは白い」と言ったら、白いのだと信じなければいけない。

なぜなら、戦場でのリーダーに対する不信はチームの死、すなわちチームとしての機能不全に直結するからである。チームが機能不全に陥れば、全員が死ぬのである。

だから、いくら「カラスは黒いに決まっているだろ!」と頭をよぎっても、そこでは白いと信じ込む必要があるのだ。

本作を観た後では、昔の大学体育会の上下関係の厳しさは、その拡大解釈というか、曲解のように思えた。つまり、シール・チームのリーダーへの信頼が戦場という極限状態での「機能」であることに対し、体育会の先輩への絶対服従は硬派であることの安易な「記号」に過ぎなかったのだ。

その後、急速に体育会のそれが無くなって行ったのは当然の帰結である。冒頭で述べたように、私自身も社会人になってからは記号としてのそれを毛嫌いするようになった。

画像引用元 海外ドラマNAVI

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