News 2026.03.14
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テレビドラマ『前科者』(主演 有村架純)

テレビドラマ『前科者』(主演 有村架純)

【深淵を覗く者は…】

「保護司」という言葉を耳にしたことはある。たしか、罪を犯した人の出所後の社会復帰などを支援するのではなかったか──。

だが、実際に何をするのか、その内容はほとんど知らなかった。このドラマの冒頭で、その概要が示される。まず驚かされるのが、非常勤ながら国家公務員であるものの、民間人の奉仕精神だけで行い、報酬は一切ないという。えっ? 無給ってこと…。

それから、保護司は対象者(保護する対象という意味だろうか…)との間で、金銭の授受や貸し借りはご法度だそうだ。まあ、それはそうだろう。カネが絡むと人間関係はろくなことにならない。だが、現実の世の中はカネで動いているから、なかなかそうも言っていられない。ドラマでもそういうシーンはある。

そして、さらに重要なことは対象者の犯した事件に介入しないこと、つまり立ち入らないことだという。これも現実的にはかなり難しそうである。というのは、保護司の役割が対象者の更生に寄り添うことにあるとすれば、対象者の犯した事件を知る必要があるだろう。事件のことを知らずして、対象者の抱える心配事や悩み事を理解することはできない。

しかし、知ったうえで立ち入らない、なんてことが実際できるのだろうか。ドラマでも主人公・阿川佳代はかなり深く介入してしまう。それが功を奏することもあれば、裏目に出て失敗することもある。

「なにもできないんだったら、最初から優しくなんてしないでよ!」

対象者から言われてしまうことさえも。

佳代のように血の通ったサポートを心がければ、むべなるかなといったところだが、結果の良しあしは別として、それには確固たる自分を持っている必要があるだろう。下手に介入すれば、対象者の悩みを自分事として捉え、自らの精神まで病んでしまう「共感疲労」の危険があるからだ。

「深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いているのだ」

とニーチェは言った。

事件への不介入は対象者のためというよりは、保護司自身を守るための戒めなのかもしれない。保護司もまた崖っぷちに立っている。

仕事として(つまりおカネを稼ぐためにと)割り切ってできることではないし、そうすべきことでもない。本来のボランティア精神が不可欠である。

無給もやむ無しか…。

画像引用元 Prime Video

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