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テレビドラマ「THE BRIDGE/ブリッジ シーズン1」(主演 ソフィア・ヘリーン)

テレビドラマ「THE BRIDGE/ブリッジ シーズン1」(主演 ソフィア・ヘリーン)

【満員電車で皆と反対を向く人よ】

スウェーデンとデンマークを結ぶ橋梁上で女性の死体が発見される。そこはちょうど国境を跨ぐ地点で、しかも死体は国境線に沿って切断されていた。このため、両国の警察が合同で捜査を始める。
 
担当するのは、スウェーデン側はマルメ県警の女性刑事サーガ・ノレーン、デンマーク側はコペンハーゲン警察の中年刑事マーティン・ローデである。
ともに優秀な刑事だが、サーガは悪意があるわけではないが他者の感情を理解できない厄介な人間だ。一方、ローデは既婚者でありながら女性関係にルーズで、家庭でいろいろな問題を抱える刑事である。つまり、この二人は人の感情に関して真逆の対応をする。
 
マルメ県警の者たちは、人の感情を無視するサーガの言動に「やれやれ、またか」と飽きれるだけが、初めて彼女と一緒に仕事をするローデは驚かされ、ときにイラつく。
 
まるでサーガは満員電車の中で一人だけ他の皆と反対方向に向いて立つ人のようだ。別にルールやマナーに反しているわけではない(マナーは微妙かな…)。だが、周囲の者はその人の視線が気になって、なんとなく落ち着かず困惑するのである。一方、当人はまるで意に介さないようなのだ。
 
しかし、事件の真相解明には、彼女のこの性質が役に立つ。人の感情などという不確かで余分なものを削ぎ落として、客観的事実だけを積み重ね、一直線に突き進む。皆と違う方向を向いているからこそ見える風景がある。スティーブ・ジョブズがそうだったように、皆と異なるものの見方の出来る人がブレークスルーを成し遂げるのだ。
 
その一方で、この世は人の感情で動いているのも事実だ。ましてや殺人事件はその最たるものかもしれない。人間の感情を抜きにしては語れないし、理解もできない。してみると、この二人はお互いを補完する名コンビになり得る。サーガもローデを通して、少しずつ他人の感情を理解するようになっていくし、ローデも彼女によって救われる。
 
画像引用元 PR TIMES
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