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テレビドラマ「リバースエッジ 大川端探偵社 FILE.03 ある結婚」(主演 オダギリジョー)

テレビドラマ「リバースエッジ 大川端探偵社 FILE.03 ある結婚」(主演 オダギリジョー)

【売春について考える(その1)】(その2はこちら

大川端探偵社は東京浅草の隅田川沿いの雑居ビルにある。そこには毎回、一風変わった依頼が持ち込まれ、調査員の村木(オダギリジョー)らが依頼人の抱える問題を解決せんと奮闘する。どの回も、退廃的なドラマの内容とEGO-WRAPPINのサウンドがマッチしてとても面白いのだが、とりわけこのFILE.03が好い。

この回の依頼人は美樹というやや年かさのいった地味なデリヘル嬢である。彼女の依頼は「最近、馴染み客の竹内から結婚を申し込まれたが、竹内は一流商社に勤めるエリートで、自分のような女に求婚するのは腑に落ちない。騙されているかもしれないので調べて欲しい」というものだった。

村木が竹内の身辺を調査するが、特に不審な点はない。そこで、竹内本人に当たったところ、実は彼の母親も娼婦で、女手一つ身体を売ったカネで竹内を育てて大学まで出してくれたと言う。しかし、彼が商社入社後まもなく死亡──そんな母の面影を竹内は地味だが家庭的な美樹に重ね、求婚したのだと分かる。

ところで、売春というのは人類最古の職業だと言われている。真偽はわからぬが、何やらもっともらしい説だと思う。現代の日本では売春防止法により禁じられており、表向きは眉をひそめる行為とされる。だが実態は地下で歴然として行われており、それは誰もが知るところである。

そもそも売春はなぜいけないのか──。法律問題をひとまず脇に置いておくとしたら、この問いにちゃんと答えられる大人がどれだけいるだろうか。

もちろん私にも分からないので、AI(ChatGPT)に聞いてみた。すると彼は①搾取や人権侵害のリスク ②社会的・道徳的価値観の崩壊リスク ③健康リスク の3点を上げた。しかし同時に、「合法としている国も少なくなく、むしろ合法化して安全・衛生管理や従事者の権利の保全等を積極的に図ることよってリスクを軽減する考え方もある」と添えるのも忘れなかった。

いずれも想定の範囲内だが、②の「社会的・道徳的…」がやや曖昧なので、さらに突っ込んで聞いたところ、要は既婚者の婚外交渉を誘発し、家族制度や既往の道徳観が崩壊するというのである。しかしいくら法律で禁止したところで、前述の通り現実は地下で堂々と行われており、また商行為でない不倫による婚外交渉も横行しているのだから何ら意味がないのは明らかである。

そう指摘しようと思ったが、考えてみればAIに善悪の判断などできないし、させてもいけないので、そこでログアウトした。私? 私は合法化して貴賤のない職業として認めるべきだと思う。そして、竹内の母や美樹が自らの仕事に対し、臆することなく胸を張って子供を育てて欲しいと願っている。

画像引用元 ORICON NEWS

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