News 2025.04.24
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テレビドラマ「ホットスポット」(脚本 バカリズム)

テレビドラマ「ホットスポット」(脚本 バカリズム)

【もう少しオッサンに優しくしてあげて】

少し前にここでテレビドラマ「殺意の道程」について書いたときに、バカリズムの脚本は女子たちのどうでも良い会話劇だから面白いのであって、いい歳をした男同士がやってはいけないと言ったが、では女子の会話劇に男──しかも五〇過ぎのオッサンが一人入るとどうなるか、というのがこのドラマである。

結論から言うと、これがとても面白い! 要するに、それこそいい歳のオッサンが女子たち──彼女たちも決して若くない──にイジリ倒されるわけだが、その容赦なさがカラッとして清々しいくらいである。主人公の‘きーちゃん’こと遠藤清美はオッサン・高橋孝介の職場の後輩だからか幾らか気を遣うが、彼女の幼馴染である‘みなぷー’と‘はっち’はホント容赦ない。

ドラマの設定やストーリーの面白さは色んなところで紹介されているので、ここでは出演者に着目したい。

主演は主人公・清美に市川実日子、冴えない中年男・高橋を角田晃広が務める。脇はバカリズム脚本では常連の夏帆、平岩紙、木南晴夏らが固めるほか、スポット的にこれまたお馴染みの菊地凛子や安藤サクラ、池松壮亮、山田真帆らが出演する。

そうした中、ポイントとなるのはやはり女子の中に一人入るオッサン役、というかドラマの設定上は宇宙人・高橋役の角田である。言わずと知れたお笑いトリオ東京03のメンバーで、彼が現代の中堅サラリーマンの悲哀などを演じるコントは抜群に面白い。とっさのアドリブも効くので、「タモリ俱楽部」にもよく呼ばれていた(私は「タモリ俱楽部」でどれだけタモリに絡めたかによってお笑いタレントの実力が測れると勝手に思っている)。

このドラマでも、彼が事あるごとに

「実は俺…、宇宙人なのね」、あるいは「実は私…、宇宙人なんですね」

と言うときの「…」の間の取り方や目の動きがとても上手い。

それからあと一人注目して欲しいのは、‘はっち’こと中村葉月役を務めた鈴木杏だ。私が鈴木杏を初めて視たのは1997年に放送されたドラマ「青い鳥」だったと思うが、記憶の中の彼女はあり得ないくらい可愛い少女だった。

その彼女がこのドラマの終盤、宇宙人として生命の危機にさらされながらも頭脳系の能力を使うと禿げることを心配する高橋に無表情でバッサリと言う。

「死ぬか禿げるかだったら、禿げるの方が良くないですか?」

ああ、もうちょっとオッサンに優しく接してあげてよ。あんなに可愛かった鈴木杏はどこに行ったのだ。でも、そんな君と‘みなぷー’(平岩紙)の容赦なさがオッサンにとっては心地よかったりするのだよね。

画像引用元 ロックのドラマで悠々自適生活 産経新聞

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