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雑誌「プレジデント 信じてはいけない! 健康診断、医者、クスリ」

雑誌「プレジデント 信じてはいけない! 健康診断、医者、クスリ」

【ハイ、信じてません!】

ここ何年も健康診断を受けていない。健診を受ければ何かしら異常値を見つけられ、再検査さらには病院通いを強いられる。これが結構ウザい。

以前も書いたような気がするが、医者・病院の類が嫌いなのだ。したがって、体調が悪くなっても少々のことなら寝て治してしまう。医者には行かない。薬も嫌いだから、極力飲まない。

それでも、“少々のこと”ではないときがたまにある。私の場合は、尿酸値が高いので(前述のとおり最近は健診すら受けていないから現状はわからない)、痛風の発作が1~2年に一度の割合で出る。その発作が痛い。超がつくほどだ。安静にして横になっていても羽毛布団が患部に当たるだけで痛い。痛風──風が吹いても痛い──と言われる所以である。

さすがに、その痛みには我慢ができないので、嫌いな医者に行く羽目になる。初めての医者に行くとだいたい言われることはいつも決まっている。

「フツーの人には、まず痩せなさいと言うのだけれど、あなたの場合は十分痩せているから、まあ食べ物に気を付けなさいよ。酒も控えてね」

「はあ」

「痛み止めと尿酸値を抑える薬を出しておくけど、そっちは痛みが治まってから飲むように。無くなる前にまた来てね」

「ずっと、飲み続けるってことですか?」

「そうなるね。あなたの場合、クレアチニンの値も高いから、そのままにしておくと腎臓病になって、人工透析を受けることになるよ」

と、脅される。

しかしこちとら、そう言われ続けて30年のベテランなのだ。痛風との付き合い方はわかっている(…つもりだ)。いつも痛みをしのいだ後は、尿酸抑制剤は捨ててしまう。食べ物には気を使わないし、呑みたいときに酒も呑む。それでも未だ腎臓病の兆候はない(…と思う)。

もちろん、この先もないとは言えないだろう。いつかは言われた通りの憂き目に遭い、後悔するのかもしれない。それでも毎日、食後おもむろに薬の袋をガサゴソと開くなんて病人臭くてまっぴらだ。この30年超の間、ガサゴソの音と無縁の生活を送れたことがつくづく嬉しい。人生のキラ星のごとくである。それで納得するつもりだ。

こんなことを言ってられるのは、働き盛りの子育て世代ではないからだし、まだ重篤な状態でもないからだとは思う。それらに該当する人たちは「ふざけるな、この野郎!」と思うかもしれないが、ご容赦いただきたい。

ちなみに、私の妻は健診を積極的に受け、何かあるとすぐに医者に行き、処方された薬は素直に全部飲んでいた。それでも彼女は若くして死んだ。そんなことも私の医者嫌い、薬嫌いに影響しているのかもしれない。

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