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書籍「LEAN IN 女性、仕事、リーダーへの意欲」(シェリル・サンドバーグ 著)

書籍「LEAN IN 女性、仕事、リーダーへの意欲」(シェリル・サンドバーグ 著)

【善意ある性差別主義者❓】

新卒の採用試験をやると女子学生の方が優秀だというのは日本も同じだと思います。前職でも毎年、試験の結果だけを見ると成績上位者は女子ばかりでした。にもかかわらず男子学生ばかりを採用していたのです、私が組織の中で力を持つまでは。

「女子はすぐに辞める」というのがその理由だというので、私が相応の地位に就いた時に「男子だろうが女子だろうが、すぐに辞める人は辞める。だったら徹頭徹尾、試験で優秀な学生を採用すべき」と言ったところ、私の部門では毎年合格者が女子ばかりになってしまいました。他の部門の役員が冷ややかな目で見るなか、何の問題あるんだと言い張って採用していましたっけ。

当初、そうした彼女らを迎えるにあたり参考にしようと手にしたのだがこの本でした。たしかに著者の功績は輝かしいですし、新卒の女子たちに是非見習って欲しいと思ったのですが、同時に些か心配になってしまったのを憶えています。この手の社会規範は日本の二〇年先を行くというアメリカでさえ、未だ女子社員を巡る就業環境がこの程度と知ってしまったからです。とはいえ、著者のような成功者を増やすことが、真の男女平等の実現を促すという主張は正しいでしょう。

採用する以上、彼女らを成功に導いてあげたいと思い、毎年私から入社祝いとしてこの本を一人ひとりにプレゼントしていました。ただ、私自身は本書にある「女性に決して否定的ではないが、時代遅れの見方に囚われた『善意ある性差別主義者』」ではないつもりでしたが、今から思うと絶対そうじゃなかったとは断言できないような気もしています。

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