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書籍「謎の拳法を求めて」(松田隆智)

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【迷走した私の「謎の拳法」探し】

先日の映画評で、高校一年生の頃に観た「燃えよドラゴン」のブルース・リーの強さに憧れて、以来武道や格闘技にのめり込んだとお伝えしました。しかし、直ぐにどこかの道場に入門したわけではありません。まずは自分に合う武道(または格闘技)は何かを本などを読んで研究しました。

たしかにブルース・リーはカッコイイけれど、路上の実戦を想定した際に空手のようにいきなり突いたり、蹴ったりするのは、どこか大人げないというか、スマートではないように思えました(ま、実際のストリートファイトではそんなこと言ってられないのですが)。かといって、柔道は太っている人がやる印象があって、なおさらスマートではない……(スミマセン、柔道愛好家の皆さん。無知な高校生の愚かな印象です)。そもそもルールのあるスポーツ武道に疑問があったということもあります。

ということで、選び出したのが合気道でした。突いたりする当て身は必要最小限、逆手を取って梃子の原理を応用するから、体が小さくても大きな人間の関節を極めたり、投げたりできる。「絶対不敗、後手必勝の武道」――当時、浜松市高町の自宅近くにあった古本屋で見つけたカッパブックス「合気道入門」に載っていたそれらの言葉に惹かれて、大学入学と同時に体育会合気道部に入部しました。

ところが、いざ始めてみると、どうも思っていたのと違う。子供のお遊戯のような約束稽古に終始して、やたらと「気の流れ」がどうのこうのと講釈ばかりが長い。こんなことをしていて、本当に強くなれるのかしらん、と疑問に思えてきました。そんなとき、私をかわいがってくれていた一人の先輩が、この本を貸してくれたのでした。

著者は空手に始まり、その後日本の古武道をたずね、最終的には中国拳法に行き着き、その奥義を極めたそうで、その過程を本書に記しています。

これによると、著者が体験した合気道の源流、大東流合気柔術には本当に凄い技があるらしい――。いや、中国拳法はさらにその上を行くみたいだ。いずれも「気」が大きく関係しているのは間違いない。著者はボクシングの有効性などにも言及していて科学的、合理的な考え方のできる人のようです。決してスピリチュアルな力を妄信しているようには思えない……。

この本によって、まさに気を取り直して、その後も合気道は続けました。その傍らで、少林寺拳法を習ったりもしました(日本で行われている少林寺拳法は中国拳法ではなく、日本独自のものであることは後で知りました)。その過程でやはり「気」――というか「平常心」の重要性を再確認し、気功、ヨガ、インド哲学、原始仏教まで食指を伸ばしました。がしかし、何一つ確かなものは得られず、結局肉体的な強さを求めてブラジリアン柔術・総合格闘技に行き着きました。たしかにそこには有無を言わせぬ絶対的な強さがありました。しかし、私がそれを具現化するには歳を取り過ぎていたのです。私の求めていた強さって、肉体が衰えたら発揮できないものだったのでしょうか――。

強さっていったい何なのでしょうね。

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