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書籍「読んでいない本について堂々と語る方法」(ピエール バイヤール 著)

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【その本について語るときに誰かが語ること】

ある本をまったく「読んでいない」から、ちゃんと「読んでいる」までの間には無数の位相がグラデーションとなって広がっています。その間は同じ位相であっても読んでいるとも読んでいないともいえるわけです。

そもそも、その本を読んでいるとはどういうことなのか──。単に読了すれば読んでいることになるのか。「そんなの、読んでいるうちに入らないよ」という声が聞こえてきそうです。では、その本の著者なら、ちゃんと読んでいると言えるのでしょうか。著者以上に読み込んでいる人だっているでしょう。同じように、読んでいないにもいろいろありそうです。たとえば、途中で読むのを断念した人。あるいは、その本そのものは読んでいないけれど、他人の書いた書評などを通して概要をつかめている人。これらの人たちは読んでいないと言えるのか。

そうした中で、その本について語るときに誰かが語ること──とレイモンド・カーヴァ―の村上春樹の訳本になぞらえて言えば──は、即ち自分について語ることなのでしょう。それは愛についてもでも、走ることについてでも、映画についてでも同じです。つまり、それらは会話のきっかけに過ぎないのです。私の書評や映画評がそうであるように。

 

本書を読んで、当館の読書会の参加条件から、「課題図書を読了していること」を外すことにしました。

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