News 2024.09.26
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書籍「知の逆転」(吉成真由美インタビュー・編)

書籍「知の逆転」(吉成真由美インタビュー・編)

【異性の関心を引くことが最優先事項】

6人の「知の巨人」へのインタビューは、どれも興味深く面白いのですが、特にDNAの二重らせん構造を解明したジェームズ・ワトソンの「真実と偽善」について語った言葉に刺激を受けました。

ワトソンは言います。
「私のやってきたことはすべて、きれいな女性に会いたいという一心から」。
だよね! あれは忘れもしない中学二年生のとき、私はこれと同じようなことを言って、その場に居た友人たちにドン引きされ、あげく「サイテー」呼ばわりされた経験があります。ワトソンのこの発言で、50年を経て救われた気分になりました。

多くの人は真実よりも、その場の空気に合っているかどうかを優先します。しかし、それによって形成される集合意思(総意)は間違えていることもあるのです。というか、総意は往々にして間違える、とまでワトソンは言います。異性の関心を引くことが最優先事項か否かはおいておくとしても、集合意思が恐ろしい結果をもたらすことさえあります。

太平洋戦争はその典型でしょうし、あるいはどこかの国の首相の意向を忖度し続けた官僚組織も記憶に新しいところです。また最近だと、サッカーW杯で日本代表の一戦ごとの勝ち負けで手のひらを返した一部の国民とその動向に同調したメディアに、太平洋戦争に突入した危うさを感じました。

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