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書籍「渋滞学」(西成活裕)

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【分野横断はコラボではなく融合が大事】

本書は、渋滞がなぜ起きるのかを──工学と理学の分野横断的な発想から──分かり易く解説した良書である。それだけでも十分に知的好奇心が満たされるのだが、この本の真骨頂は終章の末尾付近とあとがきにある。

そこで著者は、工学と理学を橋渡しできる人材が将来のキーパーソンになるとしている。それは単に間に入って通訳をする人材をいうのではなく、両者の精神や両分野の専門知識をある程度細部まで理解したうえで、それら細部にこだわらずに新たな発想をする人材だという。

分野横断的というと、よくコラボレーションを連想する。しかし、著者はそれぞれのプロが単に手を組むのでは意味がなく、一人の人間の頭の中にそれぞれを入れること──つまり、コラボではなく融合──が重要だと戒める。

この一連の記述こそが、私のその後の職業人生を決定づけた――、そう言っても過言ではない。私の場合、都市計画と建築と土木の融合が仕事上の一大テーマになった。そしてそれは、私個人に限っては部分的にではあるが一定程度果されたと思っている(私の所管していた組織でもそれを目指したが、組織は道半ばで解体された)。

その結果、私は他人に自分の仕事を説明するとき(良い意味で)大変苦労することになるのだが、その話は長くなるので別の機会にしよう。

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