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書籍「気候変動の真実」(スティーブンE・クーニン)

書籍「気候変動の真実」(スティーブンE・クーニン)

【そろそろ立ち止まって考えよう】

宮台真司は書籍「日本の難点」で、地球温暖化については国際社会で既に政治的な決着が付いていて今さら何を言っても無駄だ、と言っている。マックス・ヴェーバーの「何が真実かは重要ではない。何が真実だということになったのかが重要だ」との言葉を引き合いに出して。

たしかに、今日の世界はその決着に基づいてまわっている。社会も経済も。政治家はそれをあおることで票を獲得し、メディアは大袈裟に報道することでスポンサーを得る。企業もやれエコだ、SDGsだと言って、どれほどの効果があるのか知れない商品を売るし、学者だってそれを前提にしなければ研究費を貰えない。

一方で、「地球は温暖化などしていない。温暖化論など単なる情報操作で、〇〇による陰謀なのだ」などという無責任な陰謀論や極端な懐疑論にも、我々はうんざりしている。

そうしたなかで、世界的権威の科学者(なんたってカルテクのナンバーツー!)による本書は、地球はたしかに温暖化している──そう認めたうえで今、科学として言えることを明らかにしている。

たとえば、

  • 人間による影響は不確かで、あったとしても微々たるものである(しかも日本の温室効果ガス排出量は世界のそれの2%を占めるに過ぎない)
  • 将来の気候を予測する「気候モデル」は脆弱な前提の上で成立している
  • 記録的な高温日が近年特に増えているわけではない(但し記録的な低温日は減っている)
  • 異常気象による自然災害(干ばつ、洪水、山火事など)も特段増えているわけではない

などだ。

これらの指摘は、今の世の中ではともするとトンデモ説として退けられるし、よくても異端視はされる。著者のような最高権威であっても、気候科学を論じるには不適格だと断定されるのだと言う。

しかし、そろそろ冷静になって著者のような真摯な態度で、またメディアのいう「科学」(=エセ科学?)ではない、本来の科学の目で真実を見極め、ムリ・ムダのあるこれまでの温暖化対策を総括し、今後の在り方を再考したらどうだろうか。著者の言う「適応」はキーワードになるだろう。

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