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書籍「収容所群島」(ソルジェニーツィン)

書籍「収容所群島」(ソルジェニーツィン)

【こんな国に生まれなくて良かった】

一部の識者は、ロシア国内でウクライナへの侵攻について支持率が高いのは、一定の年齢以上がインターネットを使わず、情報管理されたテレビしか見ないからだと言います。いかにももっともらしい指摘ですが、私はかねて本当だろうかと思っていました。

というのは、「高齢者=ネット音痴=テレビの情報しか信用しない」という図式は、あまりにもステレオタイプ的な決め付けではないだろうか、もっとこの国特有の事情によるのではないかと思ったからです。そして、その思いは本書を読んでより強くなりました。

おそらく、一定の年齢以上は本書にあるソビエト時代を自らの体験として憶えている、あるいは身近な親族から直接聞いて知っているからだと思うのです。この国では(ソビエトからロシアに代わっても)、為政者を支持しないことには、不当な逮捕、理由なき拘束、拷問による自白の強要、結論ありきの審理、極寒地での強制労働が待っています。いや、現代もそれらが横行しているかは分かりませんが、国民の多くは未だにそれを恐れている──。

だからこそ、ネットなどで真実を知れば知るほど、上辺だけは為政者を支持する姿勢を取らざるを得ないのではないでしょうか。支持しないとする若い世代は、その恐ろしさの伝承が薄れているからに過ぎないのだと思うのです。

こんな国に生まれなくて本当に良かったと思います。120年前のかの国との戦争に勝ってくれた当時の日本人に感謝したい。あの時は侵略戦争ではなかったにせよ、もし負けていたら今頃……と思うとぞっとします。
 
これまでは、どんなことがあっても戦争はすべきではないと思っていたのですが、こんな国に支配されるような恐れがあるときは、我々も孫子のために戦わざるを得ないと思いました。今のウクライナの人たちのように。
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