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書籍「なぜ僕は瞑想するのか ヴィパッサナー瞑想体験記」(想田 和弘 著)

書籍「なぜ僕は瞑想するのか ヴィパッサナー瞑想体験記」(想田 和弘 著)

【ハラリもすなる瞑想法なるものを…… 】

このところ崇拝(?)しているユヴァル・ノア・ハラリは毎日2時間の瞑想を欠かさないと言います。科学至上主義者とすら思えるハラリが、非科学的でスピリチュアルな世界とも思える瞑想になぜ傾倒するのか──。

それを知りたくて、たまたま身近にあった瞑想の本を読みだしたのですが、直ぐに「アホくさ!」とばかりにやめました。初っ端から「私はヒマラヤ秘境で厳しい修行を積み…」とあり、うさん臭さを感じました。なぜ、「私はヒマラヤで修業をし…」と事実だけを淡々と書けないのでしょう。さらには、門外不出の秘伝をこの本で伝授するのだとか。あげく「この瞑想をすれば神と出会える」と説かれて、いよいようんざり。ハラリは「神や魂など人が作った虚構」だと言うのに……。

どうもおかしいと思ったら、違う瞑想法の本だったのです。瞑想法にもいろんな種類があるのですね。それで、急ぎハラリの実践しているヴィパッサナー瞑想の本をいくつか入手しました。そのうちの一つが本書です。この本が良いのは、神も仏も魂も一切出てこないところ(表紙の帯に「ブッダが……」とありますが、本文にブッダは登場せず、宗教性は一切ありません)。とはいえ、天邪鬼な私はここに書かれている著者の体験すべてを鵜吞みにはできないのです。自分で体験しない限りは信用しない主義です。

どうやらこの瞑想法の要諦は、常に平静さを保って自分を観察せよということのようです。うむ、わかる。それは学生時代に習った合気道の教えにも、その後傾倒した中村天風の教えにも、短期間ながらも通った怪しげな自己啓発セミナーの教えにも通じるところがあります。

しかしそれは、合宿所のような外界と遮断された環境なら実践できても、日常生活の中では限りなく難しい──というのが、これまでの私の人生で得た結論なのです。

一方でこの本を読みながら、最近の自分の心がいかに荒んでいるかも認識しました。一言で言えば疑心暗鬼。何かにつけ裏があるのではと疑ってかかるのが常態化しています。もっと虚心坦懐に物事に接しなければいけないのに──。もしもそれが可能となるのなら、この瞑想法を身に付けたいと思います。

ハラリが傾倒しているのも案外その辺りかもしれませんね。でもまあ、私の場合はもう少し先にしましょう。だって、五戒のうち少なくとも禁酒は守れそうもないから……。

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