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映画「透明人間」(監督 リー・ワネル)

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【逃げられると追ってしまう困った習性】

かのH・G・ウェルズが1897年に書いた小説「The Invisible Man」によって、この世に生まれた透明人間。私はこの透明人間という概念を少々誤解していたようです。私は、透明人間は透明であるだけでなく、物体としての存在をも消せるのだと思っていたのですが(たとえば他の人は透明人間をすり抜けられるとか……)、そうではないのですね。ただ単に視覚的に見えないだけで、物体としては確かにそこにあるらしいのです。だから、人間としての質量や温度を持つ。したがって、歩けば足跡が着くし、ガラスに手を付けば形が着く──。考えてみれば当たり前ですね。私はいつの間にか、「壁抜け男」と混同してしまっていたようです。

閑話休題。結局、あそこまで手の込んだことをした2020年版透明人間のエイドリアンの目的はいったい何だったのでしょう。映画の中では一応、逃げた妻セシリアを取り戻して、彼女との間に子を設けることだとしています。つまり、家族を持って、家庭を築きたかったということでしょうか。

しかし、劇中でもセシリアが言っていたように、「なぜ私なのか?」は最後までわかりませんでした。こんなことを言ったら叱られそうですが、彼女は誰もが羨む絶世の美女というわけではありません。どこにでもいそうなフツーの女性です。逃げる際に飼い犬の首輪を解いてあげたり、潜伏先の子の夢をかなえるための大金を気前よく差し出したりと優しさは垣間見えますが、だからと言って性格の好さが際立つというほどでもないし……。

ひょっとしたら当人もよくわからないまま、逃げられれば追ってしまうというのが、この手の人間の習性なのかもしれません。この手の……とは、エイドリアンのような支配したがる人間のことです。彼らは支配する対象が居てくれないと困るのでしょう。その支配する対象が妻や子で、君臨する場所が家庭だなんて──。そう言えば、最近よくワイドショーなどを騒がせる、子供を児童相談所等から取り戻してでも虐待を繰り返す親がいますが、彼らとも通じるところがありますね。

私が透明人間スーツを手に入れたら、もっと違うことに使うんだけどな。どんなことかって? 言えませ~ん(笑)。

画像引用元 FASHION PRESS

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