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映画「ノイズ」(主演 藤原竜也 松山ケンイチ)

映画「ノイズ」(主演 藤原竜也 松山ケンイチ)

【ノイズならずっと聞こえていた】

はい、泉加奈と申します。おっしゃる通り、私の夫・泉圭太は島に来た前科者の小御坂という人と島の町長・庄司さんの二人を殺したかどで服役しています。何でこんなことになったのか──、娘の恵里奈と三人で、いや夫の親友で私の幼馴染でもある純も交えた四人で幸せに暮らしていたのに……。

島のみんなは小御坂という人が平和な島にノイズを齎したのだと言います。そのノイズが増幅して、圭太にあんな事件を起こさせたのだと。でも、ノイズなら私にはずっと前から聞こえていました。

あれはそう、過疎に悩む島の未来を、みんなが圭太の生産している黒イチジクに託すようになった頃から、私には聞こえていたのです。

いや違う、もっと前──。中学生のとき、私と圭太と純の親たちが乗った漁船が遭難して……、以来私たち三人は寄り添うように生きてきました。あの頃から、純が私に特別な気持ちを持っていることに気付いていました。でも、圭太のことが好きだった私は、それをないものとしてやり過ごしてきたのです。

先日、夫に面会してきました。分厚いガラスの向こうで彼は

「純のことを信じてやってくれよ。俺はあいつの本音をずっと無視してきた。ちゃんと向き合ってやれば、こんなことにならなかったのかもな」と言って、鼻水と一緒になった涙をとめどなく流しました。

不意を突かれ、私は夫を正視することができませんでした。あの一言で、純の気持ちに私が気付いていたことを、夫は──圭太はずっと知っていたのだと分かりました。そして私が純のことを、ときにノイズのように煩わしく感じていたことも。

画像引用元 アニメイトタイムズ

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