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映画「インスタント沼」(監督 三木聡 主演 麻生久美子)

映画「インスタント沼」(監督 三木聡 主演 麻生久美子)

【人生は泣いている時間より笑っている時間の方が長い】

誰も死なないし、何に懊悩することもない。したがって、涙を流すことはないし、感動することは何もない。コメディだから当たり前と言えば当たり前だ。だが、だからと言って大笑いするような映画でもないのである。

ただ「あるよな、ある」とか、「わかる、わかる」とか言って、5分に一回はクスッと笑いながら観る映画なのだ。例えば、主人公・沈丁花ハナメが子供の頃から愛飲する、スプーン10杯のミロと約12ccの牛乳で作るシオシオミロ。あるいは他人(劇中では立花という元同僚)の噂話に意味もなく「立花なあ~」と返す相づち。さらには浴槽の蛇口を開けたまま外に食べに出かけ、あふれるまでに戻ることで上げるテンション──。

どうでも良いことである。しかし、そのどうでも良いことで、クスッと笑える何かを見つけながら、僕らは「この嘘と意地と見栄で塗り固められたしょうもない人生」を生きていくのだ。ハナメだって、人生に懊悩していないわけではないのだ。

「世の中の出来事のほとんどは大したことではないし、人間、泣いている時間より笑っている時間の方が圧倒的に長いし、一晩寝れば大抵のことは忘れられる。とにかく水道の蛇口をひねれ!」とハナメが大見得を切って映画は終わる。

画像引用元 映画チラシサイト

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