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映画「アレクサンドリア」(主演 レイチェル・ワイズ)

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【レイチェル・ワイズの憂い顔】

物語の冒頭から、レイチェル・ワイズ演じるヒュパティア先生が浮かない顔をしているのが気になった。最初は、自分の仕事とは関係ないところで、自分を恋い慕う出来の悪い生徒を憂いてのことかと思ったが、多分そうではなかったのだろう。

きっと彼女は、この物語の最後を早くから予感していたのに違いない。それは必ずしも自分の最後ということではないにせよ。当時のアレクサンドリアという街が、宗教というつまらぬ差異(彼女からしたら実につまらない差異だ!)で分断されていくのを見るにつけ、その結末が良からぬ方向に向かうのを予期していたからではないだろうか。

この頃のアレクサンドリアは、知の殿堂である図書館を抱えた一大学術都市だった。未だ印刷技術を持ち合わせていなかった当時の書物は、オリジナルの巻物一本々々だったから、その貴重さは、現代の書籍の比ではなかっただろう。彼女の予感は、やがて現実となり、図書館は暴徒によって荒らされ、書物の多くは散逸し、あるいは焼かれた。そして、彼女自身も……。

彼女が解明しようとしていた宇宙の仕組み。その壮大なスケールからしたら、地球上でのつまらぬ諍い事など何の意味があろうか。それが、二千年の時を経て、未だに行われているのである。

画像引用元 LINEショッピング

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