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映画「アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド」(監督 マリア・シュラーダー)

映画「アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド」(監督 マリア・シュラーダー)

【自分好みの完璧なパートナーってどうよ】

妻や恋人が高性能AIを備えたアンドロイドだとしたら、どうだろう。この映画のそれであれば、デフォルトの設定は一般的な男性の志向と私の好みが程よくブレンドされているようだが、日々のディープ・ラーニングによって、徐々に私好みの完璧なパートナーになっていく──。

そこには、何の意見の対立もない。もちろん、この映画のようにセックスの相性も抜群だ。そうしたことを私はどう思うだろうか。幸せに感じるのか、それとも味気ないと思うのか。

前者の場合、第三者から見れば実に困った利己的なカップルと映るだろう。イエスマンばかりの部下に囲まれたワンマン社長の会社のようなものだから。最近も中古車販売会社の例でみられた通りで、通常の社会規範とは程遠い二人となるだろう。

当人も最初のうちは、意見の対立がないのを幸せに感じたとしても、次第になんだか物足りなくなるのではないだろうか。

人間同士のカップルの場合、最初は意見の対立などない(あっても、あえてしない)。それは徐々に表れて、長い年月を経て意見の対立ばかりになる。アンドロイドの場合、その辺もうまくチューニングしてあると良いかもしれない。程よく意見の相違もあって、刺激を受けることができるのだったら最高だ。

それでも、やっぱり若い人にはお薦めしない。それは誰かのプログラムによってコントロールされた人生になるからだ。だが、私のような年寄りであれば、最後の日々はそうしたパートナーであっても良いかもしれない(って、自分は良いのかよ!)。

画像引用元 CINEMA MODE

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