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映画「それでも夜は明ける」(監督 スティーヴ・マックイーン)

映画「それでも夜は明ける」(監督 スティーヴ・マックイーン)

【自分が可愛いからビビる】

日本の映画配給会社の邦題の付け方はもう少し何とかならんのか、といつも思うのである。これも、綺麗キレイな言葉すぎて、映画の本質とはズレている。これなら、原題をそのままカタカナにした方が良かっただろう。

とはいえ、これに限って言えば、日本人は「自由」に対する切実な思いを今ひとつ理解できていないから無理もないかもしれない。日本人はは民族ごと奴隷にされた歴史が無い。戦国時代においても、領主が変わるだけで領民の生活はなんら変わらなかったと聞く。

これに対し、ヨーロッパや中国大陸では古の時代からからオセロゲームの駒のように征服民族と被征服民族が入れ替わってきた。歴史の浅いアメリカとて、アングロ・サクソンの流れをくむ以上、その記憶はDNAに染み込んでいるのに違いない。だから、彼らは自由の危うさ、儚さをよく知っているのだと思う。

登場人物のうち何人かは悪いことだと知りながら、自分の自由が脅かされるのが怖くてそれを正すことができない。ブラッド・ピットが演じたサミュエルですら「自分が可愛いからビビる」と言ったのだ。

画像引用元 Yahoo映画

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