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小説「破門」(黒川博行 作)

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【組織の看板や肩書がなくなってからが勝負】

サラリーマンだろうが、ヤクザだろうが結局、組織の中にいる限り同じなのです。その時々のトップの意向(=組織の理屈)とやらに振り回されます。

若い頃から、そうならないように組織の中枢とは距離を取ってきました。そんな私を疎ましく感じていたお偉いさんも多かったようです。

しかし年数を重ね、それなりの働きができるようになると、またそれなりの立場になると、好むと好まざるによらず組織の理屈とやらに巻き込まれることが多くなりました。それでも私は自分の価値観に照らして是々非々で対応してきましたが、若い頃と違って部下のことを思うとそうも勝手なことはしていられず、年々自分が窮屈になってきました。

だから、辞めました。組織からは義理を欠いた辞め方だと言われました。ヤクザの世界なら破門扱いになるところですが、幸いサラリーマンに破門はありません。

破門になった桑原も何とか生き延びるでしょう。彼は喧嘩が強いだけじゃありません。この世を生き抜く才覚があります。

組織の看板や肩書がなくなってからが本当の実力の見せ所なのも、ヤクザであろうとサラリーマンだろうと同じです。

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