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小説「ダリウスは今日も生きづらい」(アディーブ・コラーム 作)

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【63歳だって生きづらい】

私の60を超える人生において最悪期は2回ありました。ひとつは妻を亡くした前後。もう一つは志望校に落ちて意に添わぬ学校に通った高校時代でした。読んでいて、あの最悪の季節──自分が高校生だった頃──を思い出しました。

何事にも自信を持てず、それでいて自己顕示欲だけは強い。感受性が強いから、何かあるたびに直ぐに凹む。家でも学校でも疎外感を覚えるイラン系アメリカ人の主人公ダリウス──ダーリーウーシュと同じでした。

しかし、スポーツや勉学などでよほど特殊な才能を持っている者でもない限り、あるいはとんでもない勘違いをしている馬鹿でもない限り思春期は皆、大同小異でしょう。あの頃、私が最悪だと思っていたのは、なにも高校受験に失敗したのがすべてではなかったはずです。

ただ、そうした生きづらさは思春期だけで終わらないのが厄介なのです。あの頃、大人は皆自信に満ちているように見えたけれど、いくつになっても不安な気持ちや疎外感はなくなりません。歳をとるにつれ、少しずつそれらをやり過ごす術を覚えただけで……。すなわちそれは、少しずつズルくなったに過ぎないのです。

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