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ドラマ「まだ結婚できない男」 (主演 阿部寛)

ドラマ「まだ結婚できない男」 (主演 阿部寛)

【口元が見えなきゃ恋も出来ない】

前作から10年が経過して、50歳になった桑野信介。今作を観て、「おっと…!」と思った。桑野を演じる阿部寛のもっさり感が凄いのだ。未だ爺むさいというほどではないが、もはや表情に張りはなく、もっさりという表現がぴったりくる。もちろん、そういう演出だろうし、そういう演技に違いない。にしても阿部ほどの完璧なイケメンですらこうなのか――。かえりみるとと五〇の頃など、まだまだ全然イケてるつもりだった自分が恥ずかしい。

さて、他の出演陣に目を移せば、阿部の相手役である吉田羊(吉山弁護士)が好い。事あるごとに相談に来る桑野に対し、多少のいら立ちを隠しながら努めてさっぱりと「今回は何ですか?」と聞くその応じ方が好い。彼女を観ていて昔好きだった女の子を思い出した。少し怒ったときの口元が似ているな…と。

たしか一年ほど前の新聞のコラムで、「怪傑ゾロなど西洋のヒーローは目元を隠すが、日本の正義の味方は月光仮面のように口元を覆う」とあった。そして、顔の上半分が識別情報を伝え、下半分は感情を表すことを踏まえて、彼我の文化の違いを指摘していた。さらには、コロナ禍でマスク生活が長引いて他人の感情や内面を推し量りづらい世の中になっているとも。さもありなんと思う。

あれからさらにマスク生活は定着した。これではせっかく出会った男女に恋など生まれようもないではないか。ましてや、何年もたった後に、口元を思い出すことなど……。

画像引用元 Amazon

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