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テレビドラマ「アンナチュラル」(主演 石原さとみ)

テレビドラマ「アンナチュラル」(主演 石原さとみ)

【石原さとみはあざといか?】

石原さとみには「あざとい」という印象がつきまとう。いつどこでそういうイメージが刷り込まれたのか、今となっては定かではない。気の毒なことである。

今更ながら「あざとい」という言葉をネットで調べてみると、本来は「小狡い」「小利口な」「抜け目がない」「悪どい」「図々しい」等の意味のようだ。だが、現代では「自分を最大限によく見せる方法を熟知しているかのように自己演出する様」を指すことが一般的である。

だとすれば、あざとくない芸能人などいるのだろうか、というか人間はすべからくあざといのではないだろうか──。そんなふうに彼女を擁護してあげたくなるほど、この石原さとみは好かった。

彼女が演じる法医解剖医・ミコトが事件を解明し、そこに絡む人間模様を描くという各回のエピソードはとても面白かったのである。そして、最終回で当初から布石が打たれていた、同僚の解剖医・中堂が思い悩む過去の事件を解決するという流れも良い。

だがそれだけに最終回──最後の最後になって、法医学の力ではなく、情緒に訴えて事を解決するというのは如何なものだろうか(もちろん分かりますよ。人間は最終的には理屈ではなく感情で動くというのもね。でも、ねえ……)。

それともう一つ。途中の回でミコトを「女性の解剖医なんかで大丈夫か?」とか、「女性は直ぐに感情的になる」と蔑んだ検事を、最後は彼女がギャフンと言わせるものと思っていた。にもかかわらず、そのギャフンもなんだか中途半端に終わった感じで、いまいちガス抜きがされずにモヤモヤが残ってしまった。残念である。

それにしても……と思うのは、いくらドラマでもあんな男尊女卑的なセリフが、これの制作時には許された(おそらく不自然ではなかったのだろう)ということが些か驚きである。調べてみるとこれは2018年の制作というから僅か7年前のことだ。今ではちょっと考えられない。

逆に言うと、それだけこの数年でその辺りについての世の中の認識が急速に変わってきたということなのかもしれない。認識は変わるのだ。石原さとみはあざとくない。

画像引用元 CINRA

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