映画「三つ数えろ」（主演 ハンフリー・ボガート）

【案外、背が低いのね】

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柴犬の大好きな作家、レイモンド・チャンドラーの小説「大いなる眠り」の映画化。他の作品と同じく、ストーリーが複雑で分かりにくく、とっつきにくいかもしれないけど、そんなところはどうでもいい。
オープニングの温室のシーンは大好き。村上春樹の１Ｑ８４で青豆が富豪の老婦人と会う場所のシーンは、絶対にこの小説へのオマージュだと思う。
原作で、探偵フィリップ・マーロウは、大富豪の次女、カーメンから「背が高いのね」と言われるけど、マーロウ役のハンフリー・ボガードは決して背が高くないので、映画では「案外、背が低いのね。」と言われ、「努力はしているんだけど……」と切り返すのが面白い。
この映画はフィリップ・マーロウのハードボイルドで、センチメンタルな探偵ぶりもいいけど、なんといってもローレン・バコール演じるヴィヴィアンのクール・ビューティぶりとザラザラした低い声にしびれる。