映画「カリファーの決断」（監督 ヌルマン・ハキム ）

【自分を導くのは、自分】

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二三歳、明るく天真爛漫な主人公のカリファー。見合い結婚をした夫から、全身を覆う黒いヴェールを着用して生活するよう命じられます。目元以外、すべてを隠す「ニカーブ」を着て、これまでと変わらない生活を送ろうとしますが、周囲のまなざしの変化に苦しむことに。

しかしながら、ラストシーン。夫の死に直面したカリファーは、自らの意思で、真っ黒なニカーブを着用します。黒い布の間から、決意のこもったまなざしを鏡の中の自分自身に向けながら。

スカーフを被っても、被らなくても。ヴェールを纏っても、纏わなくても。 大切なことは、自分が自分らしくあること。自分がどうあるかは自分の意志で選びとること。自分を導くのは、自分自身だということ。アラビア語で「導く者」という意味が込められた「カリファー」という名前と、彼女の強いまなざしから、周囲の目線がどうであっても、自分らしく生きることの強さを知りました。