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書籍「日本文明の謎を解くーー21世紀を考えるヒント」(竹村光太郎 著)

【データ分析による必然性で歴史の謎を解く】

先日記した「本質を見抜く力」でも触れたように、著者の竹村光太郎氏は国土交通省の役人だっただけに、土木工学の知識はもちろん、地形や気象に関する造詣の深さにも恐れ入ります。歴史の専門家は何かと後解釈で文明や歴史について、その事象に関わった人たちの感情や精神状態を絡めて、もっともらしい偶然性を言いますが、この竹村氏は徹底したデータ分析により必然性を指摘します。

たとえば、歴史家たちは秀吉の江戸転封命令に対する家康家臣たちの激昂について「北条氏支配の続いた関東統治の難しさ」を理由にあげますが、著者は当時そこが湿地帯の不毛の地であったことを理由とします。

またエジプトのピラミッドは、王の墓でもなければ、最近有力な「意味のない無駄な公共事業説」でもなく、ナイル川の氾濫を防ぐ巨大なテトラポットであるとします。これは一見、荒唐無稽あるいは奇想天外な指摘に聞こえるかもしれませんが、土木工学を知り尽くした人ならではの大いに納得できる説明がなされています。

そうしたなかでも、日本の人口増加の分岐点となった大正10年の謎の解明は、もっともエキサイティングです。

我が国は大正10年を境に乳児死亡率が激減し、平均寿命が長くなりました。その理由の答えは水道の塩素殺菌開始ですが、では何故それが大正10年なのか? それには、それ相応の必然性があったのです。

その答えは、──ここでは言いません。是非読んで頂きたいので。

ちなみに同氏の著した「土地の文明──地形とデータで日本の都市の謎を解く」も超お薦めです。

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